【半導体工学】pn接合とは (空乏層,擬フェルミ準位)

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工学

本記事では半導体の基礎であり,応用にとっても非常に重要であるpn接合とは何かを説明します.pn接合の電流-電圧特性や容量,逆降伏は別の記事で解説します.

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pn接合とは

pn接合はp型半導体とn型半導体が接触している部分のことです.pn接合は整流性光起電力効果を持ち,ダイオードフォトダイオードトランジスタなどに応用されます.pn接合は半導体を理解するために非常に重要です.以下ではpn接合にゼロバイアス時 (熱平衡状態)順方向バイアス逆方向バイアスをかけた場合についてそれぞれ説明していきます.

ゼロバイアス時 (熱平衡状態)

図1 pn接合 (ゼロバイアス時)

p型の多数キャリアは正孔でn型の多数キャリアは電子で,これによってpn接合ではキャリア密度に差が生じます.この差を縮めようとする力が働き,図1のようにキャリアが拡散します.そしてp型からn型に拡散した正孔とn型からp型に拡散した電子が互いに再結合して消滅します.これによって図1のようにp型とn型の接合面でキャリアが存在しない層ができ,これを空乏層と呼びます.また電荷が中性で空乏層でない領域を中性領域といいます.

通常はp型ではドナー (イオン)と正孔,n型ではアクセプタ (イオン)と電子が対となって電荷が中性となっています.しかし拡散により空乏層でキャリアがいなくなり,イオンだけが存在するため図1のような電界を発生させます.このポテンシャルによってドリフトが発生します.このドリフト拡散と反対方向に発生し,キャリアが拡散するほどドリフトが大きくなるため,拡散とドリフトがつりあう平衡状態 (熱平衡状態)に落ち着きます.この平衡状態では電流は流れず,p型とn型のフェルミ準位は一致します.また拡散によって生じたp型半導体とn型半導体のポテンシャル差を拡散電位 (内部電位)と呼びます.

順方向バイアス時

図2 pn接合(順方向バイアス時)

順方向バイアスは図2のようにp半導体に正,n半導体に負の極を印加した場合のことです.順方向バイアスは内部電位とは反対にポテンシャルの形成するためp型とn型のポテンシャルの差が小さくなります.これによりドリフトが小さくなり,拡散によるキャリアの流れが支配的になりp型からn型へ電流が流れます.拡散したキャリアはp型とn型の多数キャリアが互いに再結合し,電荷の中性を保つためにつないだ電源からキャリアが供給されます.またフェルミ準位は電圧がかかっている場合に擬フェルミ準位と呼ばれます.

以上のように順方向バイアス時に流れる電流は順方向電流と呼ばれますが,キャリアの再結合する位置によって二つに分けられます.キャリアが拡散して空乏層で再結合することで流れる再結合電流,キャリアが拡散して空乏層を抜けて中性領域に拡散することで流れる拡散電流 (拡散電流も中性領域で再結合する)に分けられます.

逆方向バイアス時

図3 pn接合 (逆方向バイアス時)

逆方向バイアスは図3のようにp半導体に負,n半導体に正の極を印加した場合のことです.逆方向バイアスは内部電位とは同じ向きにポテンシャルの形成するためp型とn型のポテンシャルの差が大きくなります.これにより拡散よりドリフトによるキャリアの移動が大きくなりますが,n型からp型へ極わずかな電流しか流れません.移動したキャリアは外部へと流れていきます.また同様にフェルミ準位は電圧がかかっている場合に擬フェルミ準位と呼ばれます.

以上のように逆方向バイアス時に流れる電流は逆方向電流と呼ばれますが,キャリアの発生する位置によって二つに分けられます.中性領域でキャリアが発生して空乏層に拡散して電界によってキャリアが移動することで流れる拡散電流,空乏層でキャリアが発生して電界によってキャリアが移動することで流れる発生 (生成)電流に分けられます.

整流作用

以上で説明したように順方向では電流が流れ,逆方向ではほとんど電流が流れないためpn接合は整流作用を持ちます.

まとめ

  • pn接合:p型半導体とn型半導体が接触している部分
  • pn接合による効果:整流性,光起電力効果
  • pn接合の応用:ダイオード,フォトダイオード,トランジスタ
  • 熱平衡状態時:拡散とドリフトが互いに打ち消しあい電流は流れない
  • 拡散電位 (内部電位):拡散によって生じたp型とn型のポテンシャル差
  • 順方向バイアス時:p型からn型へ電流が流れる
  • 順方向電流:拡散電流と再結合電流に分けられる
  • 逆方向バイアス時:n型からp型へ電流が極少し流れる (ほとんど流れない)
  • 逆方向電流:拡散電流と発生 (生成)電流に分けられる
  • 整流作用:pn接合では順方向バイアス時のみ電流が流れ,これを整流作用と呼ぶ.

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