【半導体工学】ショットキーダイオードとは

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 ショットキー接触は整流作用を持つ金属-半導体接触ですが,ショットキーダイオードはショットキー接触の整流作用を利用したダイオードです.本記事ではショットキーダイオード (ショットキーバリアダイオード)について解説します.

ダイオードとは

 ダイオードは一方向のみに電流を流す半導体素子です.一方向のみに電流を流す特性を整流作用といいます.ダイオードは図1のようにアノード (陽極)カソード (陰極)の二つの端子を持ちます.

図1 ダイオード

 ダイオードは図のように,アノードからカソードへは電流が流れますが,カソードからアノードへはほとんど電流が流れません.これらの性質を利用して,ダイオードは一方向のみに電流を流す,電圧を一定にする,検波などに応用されます.

ショットキーダイオードとは

 ショットキーダイオード (ショットキーバリアダイオード)は金属-半導体接触である,ショットキー接触の整流作用を利用したダイオードです.

 図2にショットキーダイオードの回路記号と構造を示します.ショットキーダイオードは図のように,金属と半導体を接触した構造をしています.この接触がショットキー接触のとき,整流作用を持ち,一方向のみに電流が流れます (ショットキー接触についてはこちら).図の半導体はn型半導体ですが,p型半導体でもショットキーダイオードは作れます.

図2 ショットキーダイオードの回路記号と構造

順方向バイアス

 ショットキーダイオードはダイオードであるため,図2のように順方向にバイアスをかけた場合に電流が流れます.

図2 順方向バイアス

逆方向バイアス

 反対に,図3のように逆方向にバイアスをかけた場合,電流はほとんど流れません.

図3 逆方向バイアス

ショットキーダイオードの特徴

 図4にショットキーダイオードとpn接合ダイオードの電流-電圧特性を示します.

図4 ショットキーダイオードの電流-電圧特性

 ショットキーダイオードは順方向電圧\(V_F\) (電流が流れるようになる電圧)が小さい特徴があります.そのため,小さい電圧の変化で駆動させられるため,高速での駆動が可能になります.

 また,ショットキーダイオードは逆電流\(I_R\) (オフ時に流れる電流)が大きく,オフ時の消費電力が高い欠点があります.そのため,熱が発生しすぎる熱暴走することもあり,扱いには注意が必要です.

また,逆方向耐電圧が小さい特徴もあります.

まとめ

  • ダイオード:整流作用を持つデバイス
  • ショットキー接触:整流作用を持つ金属-半導体接触
  • ショットキーダイオード (ショットキーバリアダイオード):ショットキー接触のショットキー障壁を用いたダイオード

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