MOSFETの小信号等価回路について解説していきます.MOSFETの基礎と動作を理解に役立ててください.

MOSFETとは
MOSFETは、ゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)、ボディ/基板(B)の4端子を持つ半導体素子です。ディスクリートMOSFETなどではボディがソースに内部接続され、3端子として扱われることがあります。ゲート電圧によってドレイン-ソース間の電流を制御します。
MOSFETは、電圧駆動型の素子であり、ゲート端子に電圧がかかると、ドレインとソース間の導通状態が変化します。ゲートに適切な電圧をかけると、MOSFETは導通し、電流が流れます。ゲート電圧がしきい値以下では強反転チャネルは形成されず、ドレイン電流は大幅に小さくなります。ただし、実際にはサブスレッショルド電流が流れます。
MOSFETにはNチャネルとPチャネルがあります。nMOSでは \(V_{GS}\) をしきい値より高くすると電子によるチャネルが形成されます。pMOSではソースに対してゲート電位を十分低くし、\(V_{SG}>|V_{TP}|\) とすると正孔によるチャネルが形成されます。
小信号等価回路
小信号等価回路の概要
MOSFETは非線形な能動素子ですが、あるバイアス動作点の近傍に変化を限定すると特性を線形化できます。小信号等価回路では、出力抵抗などに加えて \(g_m v_{gs}\) で表される従属電流源を用いてMOSFETの小さな信号変化を表します。

まずドレイン電流は下図のように,\(I_{D}=I_{D (直流)}+i_{d} (i_{d}は交流)\)と,直流成分と交流成分に分けることができます.

大信号解析ではMOSFETの非線形な電圧-電流特性そのものを扱います。小信号解析では、あるバイアス動作点の周囲で特性を線形化し、小さな信号変化に対する応答やゲイン、入出力特性などを解析します。大信号=DC、小信号=ACと単純に区別するものではありません。
MOSFETの飽和領域での小信号解析を行うために,小信号等価回路を用います.図1の飽和領域の小さい範囲では線形と見なせるため,線形化した回路要素を用いた等価回路として表すことができます。代表的な小信号モデルでは、 の従属電流源や出力抵抗 などを用います。ドレイン電流 (飽和領域)\(i_d\)の偏微分は
\(i_d\simeq g_m v_{gs}+g_o v_{ds}\)
- ドレイン電流(飽和領域):\(I_D=\beta[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2](1+\lambda V_{DS})\)
- \(g_m=(\partial I_D/\partial V_{GS})_Q\):相互コンダクタンス
- \(g_o=(\partial I_D/\partial V_{DS})_Q\):出力コンダクタンス
とできます (ドレイン電流 (飽和領域)の式についてはこちら).上の式を回路にすると,下図の等価回路となります.実際に小信号等価回路を用いた解析は別の記事で紹介します.

基板バイアス効果
基板バイアス電圧\(V_{BS}\)に交流成分がある場合は,基板バイアス効果 (基板バイアス効果についてはこちら)の影響を考慮した以下の等価回路となります.

まとめ

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