MOSFETの基礎④【チャネル長変調効果】

エンジニア兼研究者のNavy Engineerです.
普段は半導体関係の研究をしています♪
研究のかたわら,Web制作や勉強したことをブログに書いてます.
このブログでわからないことが少しでもわかっていただけたら嬉しいです!

Navy Engineerをフォローする
工学

MOSFETの基礎④ではMOSFETのチャネル長変調効果について解説していきます.MOSFETの基礎と動作を理解に役立ててください.


電子回路の基礎まとめに戻る

スポンサーリンク

チャネル長変調効果

MOSFETはチャネル長変調効果なしで考えた場合に下図のように飽和領域でのドレイン電流の大きさは変わりません.しかし実際はドレイン電圧\(V_{DS}\)を大きくするにしたがって,ゲートのチャネル長が短くなることでドレイン電流\(I_D\)が飽和領域でも下図のように変化していきます.これをチャネル長変調効果といいます.

図 チャネル長変調効果 (nMOS)
図 ドレイン電流 (nMOS)
  • \(\mu_n\):電子の移動度
  • \(C_{ox}\):ゲート容量
  • \(W\):ゲート幅
  • \(L\):ゲート長
  • \(V_{TH}\):しきい値電圧
  • \(V_{GS}\):ゲート電圧
  • \(V_{DS}\):ドレイン電圧

式の導出

nMOSでのチャネル長変調効果ありの場合のドレイン電流の導出をしていきます.

飽和領域ではドレイン電圧\(V_{DS}\)を上げていくにつれ,チャネル長変調効果によりゲート長が\(\delta L\)短くなるため,ドレイン電流\(I_D\)は以下のようになります.

  \(I_D=\frac{W}{L-\Delta L}\mu_nC_{ox}[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2]\)

    \( = \frac{1+\frac{\Delta L}{L}}{1-\frac{\Delta L^2}{L^2}}\frac{W}{L}\mu_nC_{ox}[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2] \)

    \( ≒ \frac{W}{L}\mu_nC_{ox}[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2](1+\frac{\Delta L}{L})\)

\(\Delta L\)は\(V_{DS}\)に依存するため,\(\frac{\Delta L}{L}=\frac{cV_D}{L}=\lambda V_D (cは定数)\)とできるため

  \(I_D=\frac{W}{L-\Delta L}\mu_nC_{ox}[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2](1+\lambda V_D)\)

となります.また式よりLが小さいと\(\lambda\)が大きくなり,よりチャネル長変調効果の影響が大きくなることがわかります.

まとめ

ドレイン電流 (飽和領域,チャネル長変調効果なし)

  \(I_D=\frac{W}{L}\mu_nC_{ox}[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2]\)

ドレイン電流 (飽和領域,チャネル長変調効果あり)

  \(I_D=\frac{W}{L}\mu_nC_{ox}[\frac{1}{2}(V_{GS}-V_{TH})^2](1+\lambda V_D)\)

電子回路の基礎まとめに戻る

タイトルとURLをコピーしました