電子回路のための基礎知識②です.復習として,電子回路に必要な基礎知識を示しています.知らなかったり忘れている内容がある場合は,電子回路を勉強する前に復習することをおすすめします.
- 電子回路のための基礎知識①
【電力,有効数字,単位など】 - 電子回路のための基礎知識②今ココ!
【抵抗,インピーダンスなど】 - 電子回路のための基礎知識③
【重ね合わせの理,テブナンの定理など】
- 電子回路の基礎まとめ!
抵抗
回路の抵抗は電流の流れにくさのことです.記号はR,単位Ω (オーム),素子としては抵抗器があります.
電圧 V・電流 I・抵抗 Rは,オームの法則より以下の関係があります.
$$V = R\times I$$
キャパシタンス (静電容量)
キャパシタンス (静電容量)は電荷を蓄えられる量のことです.記号はC,単位はF (ファラド),素子としてはコンデンサがあります.
電圧 V・電流 I・キャパシタンス Cは以下の関係があります
$$i=C\frac{dv}{dt}$$
インダクタンス
インダクタンスは電流の変化によって,誘導起電力となって現れる性質です.記号はL,単位はH (ヘンリー),素子としてはコイルがあります.
電圧 V・電流 I・インダクタンス Lは以下の関係があります.
$$v=L\frac{di}{dt}$$
インピーダンス
複素数表示で交流回路の電圧と電流の関係を表す際にインピーダンス Zが使われます.インピーダンス Zは抵抗成分のRと,静電容量とインダクタンスの成分であるリアクタンス Xの成分があります.これらは,以下の関係があります.
$$\dot{V}=\dot{Z}\dot{I}$$
$$\dot{Z}=R+jX$$
アドミタンス
複素数表示で,交流回路における電圧と電流の関係で,アドミタンス Yも使われます.アドミタンスはインピーダンスの逆数です (\(\dot{Y}=\frac{1}{\dot{Z}}\)).アドミタンス Yは抵抗の逆数のコンダクタンス成分のGと,静電容量とインダクタンスの逆数の成分であるサセプタンス Bの成分があります.以下の式が成り立ちます.
$$\dot{I}=\dot{Y}\dot{V}$$
$$\dot{Y}=G+jB$$
入力・出力インピーダンス
電圧を出力する回路のインピーダンスを出力インピーダンス,電圧が入力される回路のインピーダンスを入力インピーダンスといいます.信号を出力側から入力により正しく伝えるには,出力インピーダンスが低く,入力インピーダンスが高い必要があります.
まとめ
- 抵抗:電流の流れにくさ
- キャパシタンス:電荷を蓄えられる量
- インダクタンス:電流の変化によって誘導起電力となって現れる性質
- インピーダンス:交流回路の電圧と電流の比
- リアクタンス:交流回路の静電容量とインダクタンスの成分
- アドミタンス:交流回路の電圧と電流の比 (インピーダンスの逆数)
- コンダクタンス:抵抗の逆数
- サセプタンス:リアクタンスの逆数
- 入力インピーダンス:電圧が入力される回路のインピーダンス
- 出力インピーダンス:電圧を出力する回路のインピーダンス