【高校物理】波動の定義・法則などのまとめ②!

科学
碧(あお)

閲覧ありがとうございます!
enggyの運営をしている「碧(あお)」です。
半導体関係の研究をしているかたわら、enggyの運営やブログ執筆をしています。
「enggy」で少しでも学びがあれば幸いです♪

高校物理の波動の定義・法則などをまとめました。勉強に役立ててもらえれば幸いです。

光波

光波

光は波の性質を持ち、光の波の「光波」といいます。光波は空気や水のような物質がなくても真空中を進むことができます。これが音波など他の波と違うところです。

光波には「波長」と「振動数」という特徴があります。波長は波の頂点から次の頂点までの距離で、振動数は1秒間に波が何回振動するかを表します。波長が短い光はエネルギーが高く、紫外線やX線のように目には見えません。一方、波長が長い光はエネルギーが低く、赤外線や電波などがあります。

私たちが見ている色も、実は光波の波長によって決まります。虹を思い出してみてください。赤い光は波長が長く、青い光は波長が短いのです。これが色が違って見える理由です。光波の性質を知ると、身の回りの現象をもっと理解できるようになります。例えば、プリズムを通した光が七色に分かれる理由や、CDの表面が虹色に見える理由も光波の性質で説明できます。


光の反射

光の反射は、光が物体の表面に当たって跳ね返る現象です。鏡を使うと、自分の顔が映るのはこのためです。

反射には大きく分けて「鏡面反射」と「乱反射」があります。鏡面反射は、平らで滑らかな表面に光が当たったとき、一定の方向にきれいに跳ね返る現象です。だから鏡に映る像ははっきり見えるのです。一方、乱反射は、凸凹した表面に光が当たったとき、いろんな方向にバラバラに跳ね返る現象です。紙や壁に光が当たると、この乱反射が起きるため、どこから見ても明るく見えます。

光の反射には「入射角」と「反射角」という法則があります。入射角は光が物体に当たる角度、反射角は跳ね返る角度で、これらは常に等しいです。


光の屈折

光の屈折は、光が異なる物質に斜めに入るときに進む方向が変わる現象です。例えば、ストローが水に入っていると、空気中にある部分と水中にある部分でストローが曲がって見えることがあります。これは光の屈折によるものです。

光が空気から水に入るとき、光の速度が変わります。この速度の変化が光の進む方向を変える原因です。光が密度の低い物質(空気)から密度の高い物質(水)に入るとき、光は物質の境界で曲がります。屈折には「入射角」と「屈折角」という角度があります。入射角は光が物質に入る角度で、屈折角は物質内で曲がった後の角度です。

光の屈折は、メガネやカメラのレンズ、顕微鏡などの設計にも利用されています。これらの機器は、屈折の原理を使って光を集めたり、像を拡大したりしています。


全反射

光の全反射は、光がある角度で境界に当たったとき、すべての光が反射して境界を越えない現象です。例えば、水中から空気中に光が出ようとするとき、ある一定の角度より大きい角度で光が入射すると、光はすべて水中に反射されます。この角度を「臨界角」と言います。臨界角より小さい角度では、光は屈折して空気中に出ますが、臨界角以上になると全て反射されるのです。

光ファイバーはこの全反射を利用しています。光ファイバーの中では、光が常にファイバーの内側の境界に全反射するため、光が曲がりながらでも遠くまで伝わります。この技術は高速通信に使われており、インターネットや電話のデータを光の信号として高速で伝えています。また、ダイヤモンドが輝く理由も光の全反射によるものです。


光の散乱・分散

光の「散乱」は、光が物質に当たって様々な方向に広がる現象です。空が青く見えるのはこのためです。太陽の光が大気中の小さな粒子に当たり、青い光が他の色よりも強く散乱されるため、空全体が青く見えるのです。

次に、光の「分散」は、光がプリズムなどを通るときに色ごとに分かれる現象です。虹ができる仕組みもこれです。太陽の白い光は実は色々な色の光が混ざっています。雨粒がプリズムの役割をして、光を色ごとに分けるので、空に虹が現れます。

光の散乱と分散はどちらも光の波長に関係しています。散乱では、波長の短い青い光が特に強く広がります。分散では、波長の違いで屈折する角度が変わり、色が分かれて見えるのです。

ドップラー効果・うなり

ドップラー効果

ドップラー効果は、音や光の波の源が動いているときに、受け取る波の周波数が変わる現象です。身近な例として、救急車のサイレンを考えてみましょう。救急車が近づいてくるとき、サイレンの音は高く聞こえますが、通り過ぎると音が低くなります。これは、救急車が近づくと音の波が圧縮されて周波数が高くなり、遠ざかると波が伸びて周波数が低くなるからです。

この現象は光にも当てはまります。例えば、星や銀河が私たちから遠ざかると、その光は赤く見えます。これは光の波長が伸びて赤い側にシフトするためで、「赤方偏移」と呼ばれます。逆に近づくと青い側にシフトし、「青方偏移」と言います。

また、ドップラー効果は天文学や気象学など、様々な分野で役立っています。天文学者は赤方偏移を使って、宇宙が膨張していることを発見しました。気象レーダーもドップラー効果を利用して、風の速度や方向を測定しています。


うなり

うなりは、2つの波が重なり合うときに生じる現象です。例えば、ピアノの2つの鍵盤を同時に押して、少し違う高さの音を出すと、音が周期的に大きくなったり小さくなったりすることがあります。これがうなりです。

うなりが起こるのは、2つの音の波が重なって干渉するためです。波の山と山、谷と谷が重なるとき、音は大きくなります。逆に、山と谷が重なるとき、音は小さくなります。このように、音の大きさが周期的に変わる現象をうなりと言います。うなりの周期は、2つの波の周波数の差に依存します。周波数の差が大きいと、うなりの周期は短くなり、差が小さいと周期は長くなります。これを利用して、楽器の音を合わせるときに、うなりの速さを調整して正しい音程を見つけることができます。

うなりは音だけでなく、光や水の波など、他の波にも見られる現象です。


光の干渉

ヤングの干渉実験

ヤングの干渉実験は、光の波が干渉する現象を観察する実験です。光を狭い隙間から通して2つの波が出て、それらが重なると、干渉模様が現れます。これは波の性質によるもので、波の山と谷が重なるときには波が強くなり、山と山、谷と谷が重なるときには波が打ち消しあいます。

実際には、光を通した後に画面に干渉模様が投影され、明るい帯と暗い帯が交互に現れます。これは光の波長や波の位相が重なることによって生じます。この実験は1801年にトーマス・ヤングによって行われ、光が波であることを示す重要な証拠となりました。


回折格子

回折格子は、光の干渉を利用して、光の波長や色を分析するための装置です。通常、非常に細かい溝や線が平行に彫られた板のことを指します。この格子に光を当てると、光は格子の溝や線によって散乱し、干渉が生じます。

光が回折格子を通ると、干渉模様が現れます。これは、光の波が格子の隙間に入り込み、干渉して明るい帯と暗い帯が交互に現れる現象です。この模様から、光の波長や色が特定できます。例えば、白色光を回折格子に通すと、虹色のスペクトルが見えます。


薄膜による干渉

薄膜による干渉は、光が薄い膜の表面を通るときに起こる現象です。例えば、オイルが水の上に浮いているときや、虹色が見えるバブルなどがこれに該当します。

薄膜は光が透過して反射する面が2つある構造です。光が薄膜に当たると、一部は表面で反射し、一部は薄膜内部で透過し、その後また反射されます。この過程で光の波が干渉し合い、特定の波長の光が強め合ったり打ち消されたりします。結果として、薄膜の厚さや光の波長によって異なる色が見えるのです。


ニュートンリング

ニュートンリングは、薄い空気の層がガラス板とレンズの間に挟まれるときに見られる干渉模様です。実験では、平らなガラス板の上にわずかに曲面を持つレンズを置きます。このとき、レンズとガラス板の間にできる空気の層の厚さが場所によって異なるため、光が干渉してリング状の模様が現れます。

この模様は、白色光を使うと虹色になります。光がレンズとガラス板の間の空気層に入り、反射して干渉します。光の波長に応じて、強め合ったり弱め合ったりするので、暗い部分と明るい部分が交互に見えるのです。この現象をニュートンの環またはニュートンリングと呼びます。

幾何光学

レンズ

レンズは、光を屈折させて集めたり広げたりするための透明な素材でできた曲面を持つ道具です。レンズには主に2種類あります。光を一点に集める凸レンズと、光を広げる凹レンズです。凸レンズは中央が厚く、光を通すと光線が一点に集まります。これを焦点と呼びます。凹レンズは中央が薄く、光を通すと光線が外側に広がります。

レンズの働きは、眼鏡やカメラ、顕微鏡などで活用されています。例えば、眼鏡では凸レンズが遠視を、凹レンズが近視を矯正します。カメラではレンズを使って光を集め、鮮明な画像を撮影します。顕微鏡では小さな物体を大きく見せるために複数のレンズが使われます。レンズの基本原理は光の屈折に基づいています。


凸レンズ

凸レンズは光を集める力を持ったレンズです。学校の理科の授業で使う虫眼鏡がその代表例です。凸レンズの中心は厚く、端に向かって薄くなっています。光が凸レンズを通過すると、レンズの形によって光が集められ、一点に集中します。この一点を焦点と言い、焦点の位置で物を見ると大きく見えたり、鮮明に見えたりします。凸レンズを使うと、例えば遠くの景色が近くに感じられたり、文字が大きく見えるので読みやすくなります。


凹レンズ

凹レンズは光を分散させる働きを持つレンズです。レンズの中心が薄く、端に向かって厚くなる形をしています。光が凹レンズを通過すると、レンズの形によって光が外側に広がります。これにより、物が小さく見えたり、遠くにあるように見えたりします。凹レンズの特徴的な使い方の一つは、近視用のメガネです。近視の人は遠くの物がはっきり見えないため、凹レンズを使ったメガネをかけることで、光を適切に分散させ、遠くの物をはっきり見えるようにします。凹レンズは他にもレーザー装置やカメラの一部として使われることがあります。


球面鏡で反射する光

球面鏡は、内側がくぼんでいる凹面鏡と、外側が膨らんでいる凸面鏡の2種類があります。

凹面鏡に光が当たると、光は鏡の焦点と呼ばれる一点に集まります。この性質を利用して、凹面鏡は懐中電灯や車のヘッドライトなどで光を一点に集め、明るく照らすために使われます。

一方、凸面鏡は光を広げる性質があり、広い範囲を見渡すことができます。これにより、車のサイドミラーや監視カメラのレンズとして使われることが多いです。

まとめ

本記事では高校物理の「波動」の定義や法則の②をまとめました。

波動は、音や光、水の波など、エネルギーが空間を通じて伝わる現象を研究する学問です。例えば、音波は空気の振動を通じて音が耳に届く仕組みを説明しますし、光波は光がどのように進むかを理解するためのものです。波動の研究は、音楽のスピーカーや楽器の設計に役立ちますし、光ファイバーを使ったインターネットの通信技術にも応用されています。また、地震波を研究することで、地震のメカニズムを理解し、災害対策に生かすこともできます。日常生活でも波動の原理はたくさん使われていて、私たちが音楽を楽しんだり、インターネットを使ったりするのも、波動の理解があってこそです。

本記事で少しでも高校物理の「波動」の学習に役立てていたら幸いです。

その他の高校物理まとめは下記の黄色い枠のリンクから↓

高校物理の定義・法則などのまとめ!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
タイトルとURLをコピーしました