フレアとゴーストは太陽などの強い光を撮影したときに画像が白くぼやがかかったり,虹のような光の環ができる現象です.意図しない場合にはただのノイズですが,逆にフレアとゴーストを利用して味のある写真にもすることもできます.
フレア・ゴースト・光条 (光芒)の概要
フレアとは

フレアは太陽光などの強い光を撮影したときに,レンズやカメラ内部で反射した光がセンサで受光されることで写真全体が白くぼやがかかる現象です.写真全体がもやがかかったようになるため,写真の精細さはなくなりますが、うまく生かせば印象的な写真にすることができます.
ゴーストとは

ゴーストとは太陽光などの強い光を撮影したときに,レンズで反射した光が虹のような光の環や玉が写真に写りこむ現象です.フレアと同様にゴーストもノイズにも味にもなります.
光条 (光芒)の概要

光条 (光芒)は太陽などの撮影時に生じるダイアモンドのような光の筋のことです.これは絞りによって生じます.

絞りは図のように,内側に角があります.この角によって光条が発生します.そのため,絞りの角の数によって光条の数も変わります.角の数が偶数の場合は絞りの角の数と同じ数の光条が発生します.角の数が奇数の場合は光の回折によって絞りの角と反対側にも光条が発生するため,絞りの角の2倍の数の光条が発生します.
つまり光条の数は
・絞りの数が6個 ⇒ 光条の数6個
・絞りの数が7個 ⇒ 光条の数14個
になります.
最近の絞りはこの角の影響を小さくするために,円型の絞りが使われることがあります.その場合,光条は発生しづらくなります.
フレア・ゴースト・光条 (光芒)の抑制方法
レンズを選ぶ
✔ マルチコーティングレンズを使用する
- 高品質なマルチコーティングされたレンズを使用することで、レンズ表面での反射を減らし、ゴーストや光条の発生を抑えられます。
- これにより、光源の反射が減少し、きれいな画像を得ることができます。
✔ フレア対策用レンズフードを使用する
- レンズフードを取り付けることで、強い直射光を防ぎ、レンズに不要な光が入るのを防ぐことができます。
撮影設定を調整する
✔ 絞り(F値)を適度に設定する
- 絞りを少し絞る(F/4~F/8)ことで、光条の発生を抑えることができます。
- 絞りすぎるとレンズの回折が発生し、画質が低下するため、最適な絞り値を選ぶのが重要です。
✔ シャッタースピードを調整する
- シャッタースピードを速くすることで、強い光源がレンズを通過する時間を短縮し、光条を減らすことができます。
✔ ISO感度を下げる
- 高いISO感度にすると、センサが光を過度に受けてしまい、光条やゴーストが発生しやすくなることがあります。ISOを低く設定すると、センサの反応がより穏やかになり、光条を抑えられます。
撮影角度を調整する
✔ 光源がレンズの端に来ないように角度を変える
- 光源がレンズの中心に近づくほど、光条が発生しにくいので、光源をレンズの端から外すように調整することで、光条を抑えることができます。
- 撮影位置を変えたり、光源とレンズの角度を調整することで効果的に光条を軽減できます。
レンズフレアやゴーストを抑える機能を活用する
✔ カメラやレンズの「レンズフレア抑制」機能を活用する
- 一部のカメラやレンズには、レンズフレア(光条やゴースト)を抑制する機能があります。これを活用することで、撮影時の光条を軽減できます。
まとめ
- フレア:レンズやカメラ内部で反射した光がセンサで受光されることで写真全体が白くぼやがかかる現象
- ゴースト:レンズで反射した光が虹のような光の環や玉が写真に写りこむ現象
- 光条 (光芒):太陽などの撮影時に生じるダイアモンドのような光の筋