【半導体工学】エネルギーバンドとは

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工学

エネルギーバンドは複数の原子が結合することによって,複数のエネルギー準位が微小に変化して重なることによって形成されます.半導体の特性を理解するためにはエネルギーバンドを理解することは大事なので紹介していきます.

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エネルギーバンドとは

複数の原子が接近して固体になると電子が存在できる準位が分裂して,エネルギー帯を形成します.これをエネルギーバンドと呼びます.以下では半導体を例にエネルギーバンドの説明をしていきます.

半導体のエネルギーバンド

図1 シリコン (半導体)のエネルギーバンド

図1にシリコン (半導体)のエネルギーバンドを示します.複数の原子が結合して複数のエネルギー準位が重なって帯 (エネルギーバンド)を形成します.シリコン (Si)のような半導体では価電子が埋まっているエネルギーバンドである価電子帯と電子の伝導に寄与するエネルギーバンドである伝導帯を形成します.

半導体の場合は価電子帯は電子が埋まっており,通常では伝導帯には電子がないため電流は流れません.また半導体の場合は価電子帯と伝導帯の間に電子が存在しないエネルギー帯である禁制帯があり,このエネルギーの差をエネルギーギャップといいます.不純物注入や熱,光などにより伝導帯に電子が遷移することで電流が流れるようになります.

エネルギーバンドの形成

原子は電子と原子核で構成されています.そして電子は原子核の周りに存在していますが,原子の周りの電子のエネルギーは離散的な値を取ります.例えばシリコン (Si)の原子番号は14であり,一つのシリコン (Si)は14個の電子をもちます.そしてそれぞれの電子は14つの低いエネルギーの軌道に入ります.シリコン (Si)の電子は軌道が内側の方からK殻に2個 (席は2つ),L殻に8個 (席は8つ),M殻に4個 (席は8つ (実際には18席あるが原子数が小さい原子では8席))を持ちます.K殻,L殻ではそれぞれ存在できる電子の席が電子が埋まっていますが,シリコンの最外殻軌道であるM殻は残り4つの電子が足りないため,一つのシリコン原子では不安定になります.

そこで図2のように各シリコン電子が最外殻電子を共有する共有結合をします.原子単体の時はエネルギー準位はそれぞれで離散的な値を取りましたが,共有結合することによってそれぞれのエネルギー準位は微小に変化して複数の原子のエネルギー準位が重なり,エネルギーバンドを形成するようになります.

図2 シリコン (Si)の共有結合

金属・半導体・絶縁体のエネルギーバンド

図3 金属,半導体,絶縁体のエネルギーバンド

金属半導体絶縁体では導電率が違いますが,これはエネルギーバンドで説明することができます.先ほども説明した通り電流が流れるようになるためには伝導帯に電子がある必要があります.金属では元々伝導帯に電子があるか,価電子帯と伝導帯がつながっているため電流が流れます.半導体では通常は伝導帯に電子がないため電流も流れませんが,不純物を注入したり,熱や光により伝導帯にも電子が遷移するため電流が流れるようになります.絶縁体では価電子帯と伝導帯のエネルギーギャップが大きすぎるため,通常は伝導帯に電子が遷移できないため電流が流れません.

まとめ

本記事ではエネルギーバンドの概念と形成,金属・半導体・絶縁体でのエネルギーバンドの違いを紹介しました.半導体を学ぶ上でエネルギーバンドの概念は良く出てきます.

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