【カメラ・イメージセンサ】ノイズの種類一覧

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工学

イメージセンサのノイズは固定パターン (Fixed pattern noise)とランダムノイズ (Random noise)である光ショットノイズ、暗電流ショットノイズ、読出しノイズに大別できます。S/N比は本来求める信号と必要のないノイズの比を表し、センサを評価する指標の一つです。

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ノイズの種類

イメージセンサのノイズは同じ箇所で生じる固定パターンノイズ (FPN:Fixed pattern noise)とランダムに生じるランダムノイズ (Random noise)があります。またFPNと混同されがちなPRNUノイズ(Photo Response Non-Uniformity)もあります.ランダムノイズはさらに光ショットノイズ,暗電流ショットノイズ,読出しノイズ,量子化ノイズがあります。

固定パターンノイズ

固定パターンノイズ (FPN:Fixed pattern noise)は空間的に同じ位置で発生するノイズです.各画素や回路の特性のばらつきやなどが原因となり,ノイズが各画素や縦縞となって現れます.また画素の欠陥や暗電流のむらにもよって発生するため,画素や回路のばらつきや暗電流を抑えることで固定パターンノイズを減らすことができます.

暗電流FPN

暗電流は光が入ってない状態でも電荷が発生してしまう現象ですが,この暗電流が画素毎によって発生する量が違うため固定パターンノイズとして現れるのが暗電流FPNです.異常に暗電流が多く発生する画素は白傷と呼ばれます.

低照度黒点・白点

低照度黒点は信号電荷が完全に転送されずに残ってしまうことで出力が暗くなってしまうノイズが画素毎に発生のしやすさが異なることで発生するFPNです.

白点は信号電荷が完全に転送されずに残った場合に次のフレームに信号が残ってしまうノイズが画素毎の発生のしやすさの違いによって発生するFPNです.CMOSイメージセンサの場合はリセットされることでこの白点は低減されます.

低照度黒点と白点はセットになりやすく,残像の固定パターンノイズの成分とも言えます.

しきい値ばらつき

CMOSイメージセンサでは信号電荷を電圧に変換するMOSトランジスタがあることが一般ですが,この増幅MOSトランジスタのしきい値のばらつきがオフセットとなって固定パターンノイズとして現れます.CDS回路ではリセットレベルと信号レベルの差を取ることで信号を取り出しますが,リセットレベルにも信号レベルにもこの増幅MOSトランジスタによるオフセットが乗るため,CDS回路で差をとることでこのFPNも抑圧されます.

CCDイメージセンサでは電荷を転送するための垂直CCDなど,CMOSイメージセンサではADCの読出し回路がカラム毎に特性がずれていることで縦筋などとなって現れる固定パターンノイズです.

PRNUノイズ

PRNU (Photo Response Non-Uniformity)は画素毎の感度のバラつきのことです.例えすべての画素に全く同じ数の光子が入射されても画素毎に感度が違うためすべての画素で一様の明るさにはならないため画像で見るとノイズになります.PRNUはFPNと混同されることがありますが,基本的にFPNは暗い状態で撮影しても固定パターンのノイズが発生するのに対して,PRNUは入射された光が感度の違いによってノイズとして現れるためFPNとPRNUは別ものになります.しかし同じ位置で発生する点では同じであるためPRNUは固定パターンノイズの一つとして区別されたりもします.PRNUを補正するためにFFC (フラットフィールド補正)などが行われます.

ランダムノイズ

ランダムノイズは空間的にも時間的にもランダムで発生するノイズです.光ショットノイズは光の大きさによってノイズの大きさが変化するランダムノイズです.反対に光の強さに関わらず発生するランダムノイズをダークランダムノイズといい,ダークランダムノイズには暗電流ショットノイズ,読出しノイズ,量子化ノイズなどが含まれます.

光ショットノイズ

光ショットノイズ (フォトンショットノイズ、又は単にショットノイズ)はセンサが捉える単位時間あたりの光子数がポアソン分布に従い不均一であることで生じます。例えば全く同じ条件で撮影したとしても、ある画素が捉える光子数は1回目では1001個、2回目は998個といったことが起きます。光ショットノイズは自然の現象であるためセンサでなくすことはできません。

暗電流ショットノイズ

暗電流ショットノイズ (暗電流ノイズ)は暗電流によって生じるノイズで、素子の温度が高くなると暗電流ショットノイズも大きくなります。また光ショットノイズと同様にポアソン分布に従います。暗電流を抑えることで暗電流ショットノイズを抑えることができます。

読出しノイズ

読出しノイズは信号を読み出すときにトランジスタなどで発生するノイズで,熱雑音,1/fノイズ(フリッカノイズ),リセットノイズ (kTCノイズ),RTSノイズ (ランダム・テレグラフ・シグナル・ノイズ)などがあります.

熱雑音

熱雑音はトランジスタなどの抵抗体で自由電子が不規則な熱振動によって生じます。

1/fノイズ

1/fノイズ(フリッカノイズ)は周波数特性が周波数に反比例し、素子内での電子のゆらぎによって発生します。

リセットノイズ

リセットノイズ (kTCノイズ)はPD (フォトダイオード)やFD (フローティングディフュージョン)をリセットする際に,リセットするたびに毎回同じリセットレベルにならないために発生するランダムノイズです.

RTSノイズ

RTSノイズ (ランダム・テレグラフ・シグナル・ノイズ)はMOSトランジスタ内を移動するキャリアがトラップ準位に捕獲・放出されるなどで発生するランダムノイズです.MOSの微細化が進むにつれ顕在化してきて,原因のすべてはしっかりと理論化されてないそうです.

回り込みノイズ

回り込みノイズはデジタル回路からノイズが回り込むことで発生します.CMOSイメージセンサでは例えば行選択するデジタル信号にノイズが発生して,これが原因となって画像で横筋にノイズが発生します.

量子化ノイズ

量子化ノイズはアナログ信号をデジタル信号に変換する際に発生する誤差によるノイズです.

その他の特殊なノイズ

以上で上げたノイズとは他に表立って比較されないノイズもあります。以下にその他ノイズを示します。これらのノイズは被写体が強い光や高速で動く場合などの特殊な条件で発生します。詳しくはこちらを参照してください。

S/N比

S/N比 (信号対雑音比)は信号(Signal)とノイズ(Noise)の比です。単位は通常はデシベル (dB)で、値が大きいほど良くなります。しかし測定方法や条件にもよって変わるので一概にすべての値を比べられるわけではありませんが、S/N比がよくなることで画質も上がります。

まとめ

  • 固定パターンノイズ:空間的に同じ位置で発生するノイズ
  • PRNU(Photo Response Non-Uniformity):各画素の感度ムラ
  • ランダムノイズ:ランダムに発生するノイズ
  • 光ショットノイズ:光のゆらぎで生じるノイズ
  • 暗電流ノイズ:暗電流によるノイズ
  • 読出しノイズ:信号を読みだすタイミングで発生するノイズ
  • 量子化ノイズ:デジタル変換する際に発生する誤差によるノイズ
  • S/N比:信号(Signal)とノイズ(Noise)の比

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