【イメージセンサ】CCD・CMOSイメージセンサの違い

エンジニア兼研究者のnavy engineerです.
普段は半導体関係の研究をしています♪
研究のかたわら,Web制作や勉強したことをブログに書いてます.
このブログでわからないことが少しでもわかっていただけたら嬉しいです!

navy engineerをフォローする
工学

 イメージセンサは主にCCD (Charge Coupled Device)イメージセンサとCMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサの2つがあります.CCDとCMOSの大きな違いは,転送と電荷を電気信号に増幅するタイミングです。本記事ではそれぞれの構造の違いとそれぞれの特徴を説明します。

スポンサーリンク

CCDとCMOSの違い

 CCDイメージセンサとCMOSイメージセンサはどちらも光を電気信号に変換する素子です。しかしこの二つでは電荷の転送と、電荷を電気信号に変換するタイミングが違います。CCDイメージセンサでは画素内のフォトダイオードで発生した電荷を転送した後にアンプで電荷を電気信号に増幅します。一方CMOSイメージセンサは画素内のフォトダイオードで発生した電荷を電気信号に増幅した後に信号を画素アレイの外に転送します。

CCDイメージセンサとは

 CCDイメージセンサの簡単な構造を下図に示します.CCDでは信号が電荷の状態で転送していきます.以下で簡単にCCDの動作方法について説明します.

CCD_ImageSensor
図 CCDイメージセンサ

 CCDではまず,各画素のフォトダイオードで光信号を信号電荷に変換します.次に各画素内で発生した電荷を垂直CCDに転送します。その後,垂直CCDで次段へと電荷を転送します。これをバケツリレーのように繰り返し、電荷を水平CCDに転送していきます。一方,水平CCDの電荷も同様に,次の電荷が転送される前にバケツリレーのように電荷をアンプで電気信号に増幅し、随時出力します。このときすべての画素の電荷を同じアンプにより電気信号に増幅するため、アンプによるばらつきはありません。しかし転送速度を高速にするために、電源に高い電圧を使うため消費電力が大きくなります。

CMOSイメージセンサとは

CMOSイメージセンサは,フォトダイオードで発生した電荷を,画素内のアンプで電気信号に増幅してから転送します.下図にCMOSの構造図を示します.

図 CMOSイメージセンサ

 CMOSでもまずフォトダイオードで光信号を信号電荷に変換します.その後,各画素にあるアンプで信号を電気信号に増幅 (変換)します.次に,図の赤線のように縦と横で画素を選択し,選択した画素の電気信号を出力します。これをすべての画素で行うことで画像を出力します。CMOSイメージセンサでは画素内で電気信号に増幅したあとに信号転送するため、転送中に発生するノイズを抑えることができます。しかし各画素で別々のアンプを使うためアンプの増幅率などのばらつきが固定パターンノイズとして現れます。

PPSとAPS

 補足になりますが,イメージセンサの区別としてPPS (Passive Pixel Sensors)APS (Active Pixel Sensors)があります.

 PPSは画素に信号を増幅する機能がなく,APSは画素に信号を増幅する機能があります.そのため基本的には,CCDイメージセンサはPPS,CMOSイメージセンサはAPSです.しかし,画素内で信号を増幅しないPPSのCMOSイメージセンサなどもあるため,必ずしもそうなるわけではないことに留意する必要があります.

CCD・CMOSの比較

 以前はCCDの画質が優っていたため、CCDが普及していました。しかし埋め込みダイオードなどの技術の登場によりCMOSの画質が上がり、CMOSの低消費電力,他の機能を同チップに搭載可能,安価といった特徴からCMOSが主要となりました。さらにCMOSの開発などが盛んに行われ、今ではほとんどのイメージセンサでCMOSが使われています。一般的なCCDとCMOSの特徴を下にまとめます。

CCDイメージセンサの特徴

  • 転送を早く行うために電源電圧が高くなり、消費電力が大きくなる
  • 製造工程が特殊なためCMOSより高価
  • 信号を電荷で転送するため、転送中にノイズが乗りやすい
  • 電荷をバケツリレーのように転送するため時間がかかる
  • 全画素で同じアンプを使うため,固定パターンノイズが小さい
  • バケツリレー方式のため部分読み出しができない
  • 光が強いとブルーミング・スミアが発生する

CMOSイメージセンサの特徴

  • 消費電力がより小さい
  • LSIと同じ工程で作るためより安価
  • センサと様々な回路を同じチップに乗せられるため (system on chip) 、高速化やその他機能の追加が可能
  • 電気信号に変換後に転送するため,転送中に発生するノイズに強い
  • 各画素のアンプのばらつきにより固定パターンが発生する
  • 部分読み出しすることによりフレームレートの向上が可能
  • 動きに弱く、歪みが発生する (ローリングシャッタの場合)
  • ブルーミング・スミアが発生しない
  • CCDより混色しやすい

まとめ

  • CCDイメージセンサ:信号を電荷で転送して,その後に一つのアンプで信号を増幅させるイメージセンサ.消費電力が大きく,より高価
  • CMOSイメージセンサ:現在の主流.画素内で電荷を電気信号に変換後,信号を転送.より安価でセンサと他の回路を同じチップに乗せられる (system on chip)
  • PPS (Passive Pixel Sensors):画素に信号を増幅する機能がないセンサ
  • APS (Active Pixel Sensors):画素に信号を増幅する機能があるセンサ

【基礎から学ぶ】イメージセンサまとめ!に戻る

コメント

タイトルとURLをコピーしました