「MathJax」はWeb上で数式を表示させるためのオープンソースのJavaScriptライブラリで、Webで簡単に数式を表示させることができます。
本記事では「MathJax」の使い方の説明とコマンド一覧を掲載しております。サイト運営などにご活用いただけると幸いです。
MathJaxとは
「MathJax」はWeb上で数式を表示させるためのオープンソースのJavaScriptライブラリです。LaTeXのようにコマンドを入力することでWeb上で数式を表示させることができます。
数式はWordのような他のソフトで作成して、画像を取得してからWebに貼る方法もありますが、作業数が多いため時間がかかるデメリットがあります。
その反面、MathJaxではWebでコマンドを入力するだけでよいため、数式を簡単に表示させることができます。
使うための準備
ブラウザ側では事前な準備は必要ありません。サーバー側ではMathJaxを使用するために以下のことをする必要があります。
HTMLの場合
HTMLの場合は以下のコードをhtmlファイルの<head>と</head>の間に追加すればMathJaxを使えるようになります。
WordPressの場合
ここでは詳しい説明は省きますがWordPressの場合は MathJax-LaTeX というプラグインを使えば使用できるようになります。あるいは以下のコードをダッシュボード>外観>テーマエディター>header.phpの</header>の直前に追加することでも使えるようになります。また同様にFTPからwp-content>themes>テーマのフォルダ>header.php の</header>の直前に追加してもできます。
使い方
数式の表示方法
数式を表示させるためには数式のコマンドを$$、$$$$、\(\)、\[\]のいずれかで囲んであげる必要があります。しかし$$を使用する場合はhtmlファイルやheader.phpにそれを使用するためのコードを書き加えなければ使えません。本サイトではその設定をしてないため$$を使用することはできません。また$$$$、\[\]は数式で改行して、\(\)では数式で改行しない特徴があるためそれぞれで数式を表示すると以下のようになります。
$$1の半分は$\frac{1}{2}$です。
1の半分は$\frac{1}{2}$です。
\(\)1の半分は\(\frac{1}{2}\)です。
1の半分は\(\frac{1}{2}\)です。
$$$$1の半分は$$\frac{1}{2}$$です。
1の半分は$$\frac{1}{2}$$です。
\[\]1の半分は\[\frac{1}{2}\]です。
1の半分は\[\frac{1}{2}\]です。
{}の使い方
MathJaxのコマンドで{}で囲むと{}内を一つの塊として認識させることができます。MathJaxで{}を使うと中身が塊と認識され、{}は表示されません。{}を表示させたいときは\{\}のようにする必要があります。以下に例を示します。
{}\(x^{abcde}\)
x^{abcde}
{}を表示\(x^{\{abcde\}}\)
x^{\{abcde\}}
高さを合わせる
数式を\left. \right.で囲むと数式の高さを合わせることができます。また()や{}、[]で囲むこともできます。以下に例を示します。
\left.\right.\(\left.1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right.\)
\left.1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right.
\left(\right)\(\left(1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right)\)
\left(1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right)
\left[\right]\(\left[1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right]\)
\left[1+\frac{\frac{1}{3}}{2} = \frac{7}{6}\right]
\left|\right|\(\left|1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right|\)
\left|1+\frac{\frac{1}{3}}{2} = \frac{7}{6}\right|
\left\{\right\}\(\left\{1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right\}\)
\left\{1+\frac{\frac{1}{3}}{2}=\frac{7}{6}\right\}
\begin\endの使い方
\begin{align}\end{align}を使えば式を縦で揃えることができます。式の中で\\で改行、式を揃えたい位置に&をいれることで実現できます。\begin{array}\end{array} を使えば配列を作ることができます。また\begin\endを使う場合はそれだけでMathJaxのコマンドとして認識されるため\(\)などで囲む必要はありません。以下に例を示します。
\begin{align}\end{align}\(\begin{align}x + y&= 2\\2x + 3y&= 8\end{align}\)
\begin{align}x + y&= 2\\2x + 3y&= 8\end{align}
\begin{array}\end{array}\(\begin{array}{c|cc} x&1&2 \\ \hline y&2&4\end{array}\)
\\begin{array}{c|cc} x&1&2 \\ \hline y&2&4\end{array}
コマンド一覧
数式・表
上文字\({}^x2^x\)
{}^x2^x
下文字\({}_x2_x\)
{}_x2_x
連立方程式\(\left\{\array{x + y&= 2\\2x + 3y&= 8}\right.\)
\left\{\array{x+y&=2\\2x+3y&=8}\right.
分数\(\frac{1}{2}\)
\frac{1}{2}
平方根\(\sqrt2\)
\sqrt{2}
べき根\(\sqrt[3]{2}\)
\sqrt[3]{2}
表\(\begin{array}{|c|cc|}\hline &C&D\\ \hline A&〇&× \\ \hline B&×&〇 \\ \hline\end{array}\)
\begin{array}{|c|cc|}\hline &C&D\\ \hline A&〇&× \\ \hline B&×&〇 \\ \hline\end{array}
文字
上線\(\overline{A}\)
\overline{A}
下線\(\underline{A}\)
\underline{A}
上ドット\(\dot{x}\)
\dot{x}
イタリック\(\mathit{A}\)
\mathit{A}
太文字\(\mathbf{A}\)
\mathbf{A}
太文字\(\mathbb{A}\)
\mathbb{A}
フォント\(\mathrm{ABC}\)
\mathrm{ABC}
フォント\(\mathsf{ABC}\)
\mathsf{ABC}
フォント\(\mathtt{ABC}\)
\mathtt{ABC}
フォント\(\mathcal{ABC}\)
\mathcal{ABC}
フォント\(\mathscr{ABC}\)
\mathscr{ABC}
フォント\(\mathfrak{ABC}\)
\mathfrak{ABC}
文字のサイズ\(\tiny{A} \scriptsize{A} \normalsize{A} \large{A} \LARGE{A}\)
\tiny{A} \scriptsize{A} \normalsize{A} \large{A} \LARGE{A}
ギリシャ文字
アルファ\(A \alpha\)
A \alpha
ベータ\(B \beta\)
B \beta
ガンマ\(\Gamma \gamma\)
\Gamma \gamma
デルタ\(\Delta \delta\)
\Delta \delta
イプシロン\(E \epsilon\)
E \epsilon
ゼータ\(Z \zeta\)
Z \zeta
イータ\(H \eta\)
H \eta
シータ\(\Theta \theta\)
\Theta \theta
イオタ\(I \iota\)
I \iota
カッパ\(K \kappa\)
K \kappa
ラムダ\(\Lambda \lambda\)
\Lambda \lambda
ミュー\(M \mu\)
M \mu
ニュー\(N \nu\)
N \nu
クシー\(\Xi \xi\)
\Xi \xi
オミクロン\(O o\)
O o
パイ\(\Pi \pi\)
\Pi \pi
ロー\(P \rho\)
P \rho
シグマ\(\Sigma \sigma\)
\Sigma \sigma
タウ\(T \tau\)
T \tau
ユプシロン\(\Upsilon \upsilon\)
\Upsilon \upsilon
ファイ\(\Phi \phi\)
\Phi \phi
カイ\(X \chi\)
X \chi
プシー\(\Psi \psi\)
\Psi \psi
オメガ\(\Omega \omega\)
\Omega \omega
記号
かける\(\times\)
\times
割る\(\div\)
\div
プラスマイナス\(\pm\)
\pm
マイナスプラス\(\mp\)
\mp
無限\(\infty\)
\infty
垂直\(\perp\)
\perp
弧\(\stackrel{\Large\frown}{AB}\)
\stackrel{\Large\frown}{AB}
比例\(\propto\)
\propto
合同\(\equiv\)
\equiv
ノットイコール\(\neq\)
\neq
近似\(\approx\)
\approx
非常に大きい\(\gg\)
\gg
非常に小さい\(\ll\)
\ll
属する\(\in\)
\in
属する\(\ni\)
\ni
属さない\(\notin\)
\notin
部分集合\(\subset\)
\subset
部分集合\(\supset\)
\supset
部分集合\(\subseteq\)
\subseteq
部分集合\(\supseteq\)
\supseteq
かつ\(\cap\)
\cap
または\(\cup\)
\cup
空集合\(\phi\)
\phi
補集合\(\overline{A}\)
\overline{A}
排他的論理和\(\oplus\)
\oplus
三角形\(\triangle\)
\triangle
タガー\(\dagger\)
\dagger
矢印
矢印\(\leftarrow \rightarrow\)
\leftarrow \rightarrow
矢印\(\uparrow \downarrow\)
\uparrow \downarrow
矢印\(\leftrightarrow \updownarrow\)
\leftrightarrow \updownarrow
二重矢印\(\Leftarrow \Rightarrow\)
\Leftarrow \Rightarrow
二重矢印\(\Uparrow \Downarrow\)
\Uparrow \Downarrow
二重矢印\(\Leftrightarrow \Updownarrow\)
\Leftrightarrow \Updownarrow
斜め矢印\(\nearrow \searrow\)
\nearrow \searrow
斜め矢印\(\nwarrow \swarrow\)
\nwarrow \swarrow
矢印\(\mapsto\)
\mapsto
ベクトル\(\vec{a}\)
\vec{a}
ベクトル\(\overrightarrow{AB}\)
\overrightarrow{AB}
括弧
中括弧\(\lbrack x \rbrack\)
\lbrack x \rbrack
大括弧\(\lbrace x \rbrace\)
\lbrace x \rbrace
括弧\(\langle x \rangle\)
\langle x \rangle
鍵括弧\(\lceil x \rfloor\)
\lceil x \rfloor
鍵括弧\(\lfloor x \rceil\)
\lfloor x \rceil
絶対値\(\vert x \vert\)
\vert x \vert
ノルム\(\Vert x \Vert\)
\Vert x \Vert
上括弧\(\overbrace{a+b}^{ n }\)
\overbrace{a+b}^{ n }
下括弧\(\underbrace{a+b}_{ n }\)
\underbrace{a+b}_{ n }
行列・ベクトル
行列\(\pmatrix{ a&b \\ c&d }\)
\pmatrix{ a&b \\ c&d }
行列\(\left[\array{a&b\\c&d}\right]\)
\left[\array{a&b\\c&d}\right]
行列式\(\left|\array{a&b\\c&d}\right|\)
\left|\array{a&b\\c&d}\right|
ベクトル\(\vec{a}\)
\vec{a}
ベクトル\(\overrightarrow{AB}\)
\overrightarrow{AB}
ベクトル\(\mathbf{A}\)
\mathbf{A}
ベクトル\(\dot{x}\)
\dot{x}
総和
総和\(\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k\)
\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k
極限
極限\(\displaystyle\lim_{x→0}sinx\)
\displaystyle\lim_{x→0}sinx
指数・対数
指数\(e^x\)
e^x
対数\(\log_{a}x\)
\log_{a}x
微分
微分\(\dot{y}\)
\dot{y}
二回微分\(\ddot{y}\)
\ddot{y}
四回微分\(\ddddot{y}\)
\ddddot{y}
n回微分\(f^{(n)}\)
f^{(n)}
微分\(\left.{\frac{df(x)}{dx}}\right|_{x=0}\)
\left.{\frac{df(x)}{dx}}\right|_{x=0}
積分
積分\(\displaystyle \int_{-1}^{1}f(x)dx\)
\displaystyle \int_{-1}^{1}f(x)dx
三重積分\(\iiint_Vf(x,y,z)dxdydz\)
\iiint_Vf(x,y,z)dxdydz
周回積分\(\oint_Cf(z)dz\)
\oint_Cf(z)dz
最後に
「MathJax」はWeb上で数式を表示させるためのオープンソースのJavaScriptライブラリで、Webで簡単に数式を表示させることができます。
本記事では「MathJax」の使い方の説明とコマンド一覧を掲載しました。サイト運営などのお役になっていれば幸いです。