電子回路はダイオードやトランジスタなどの能動素子を含む回路です.本記事では電子回路について,電気回路と比較もしながら紹介します.
電子回路とは
電子回路の概要
電子回路とはダイオードやトランジスタなどの能動素子を含んでいる回路です.回路は抵抗やトランジスタなどの素子を,金属などの配線でつないで,輪の形で電流が循環する通路のことです.

電子回路にもアナログ回路やデジタル回路,集積電子回路など様々あります.電子回路は信号の増幅,計算,データの保存など様々な機能があります.現在では様々な箇所で利用され,パソコンはもちろん,スマホ,カメラ,イヤホン,通信,家電製品など,私たちの生活は電子回路を利用したもので囲まれています.

電子回路の役割
電子回路は、電気信号を処理し、増幅、スイッチング、フィルタリング、信号変換などを行います。これにより、スマートフォン、コンピュータ、テレビ、家電、自動車など、私たちの身の回りのさまざまな電子機器が機能します。
電子回路の基本構成要素
1️⃣ 電源(Power Supply)
- 回路に電力を供給する部分。電池やACアダプターなどが含まれます。
2️⃣ 抵抗(Resistor)
- 電流の流れを制限し、電圧を調整する部品。
3️⃣ コンデンサ(Capacitor)
- 電荷を蓄え、一時的に電気を貯めたり放出したりする部品。
4️⃣ トランジスタ(Transistor)
- 小さな電流や電圧で大きな電流を制御するスイッチ・増幅装置。
5️⃣ ダイオード(Diode)
- 電流を一方向にだけ流す部品で、整流や保護の役割を持つ。
6️⃣ IC(Integrated Circuit:集積回路)
- 多くの電子部品を1つのチップにまとめたもの。コンピュータやスマートフォンの頭脳となる。
電子回路の種類
🔹 アナログ回路
- 連続的な電圧や電流を扱う回路。音声増幅回路やラジオ受信機などに使用される。
🔹 デジタル回路
- 0と1の信号を使って動作する回路。コンピュータやスマートフォンの内部回路が代表的。
電子回路と電気回路の違い
電子回路と電気回路はどちらも回路ですが,いくつか違う点があります.その違いを説明していきます.
素子の違い
電子回路と電気回路の違いは,使用する素子が違います.電気回路は受動素子 (抵抗,コンデンサ,インダクタ)のみで構成されています.電子回路は受動素子と能動素子 (ダイオード,トランジスタ)で構成されています.
受動素子 (抵抗,コンデンサ,インダクタ)は線形素子とも呼ばれ,電圧-電流の関係が線形で,電力の消費・蓄積・放出のみをする素子です.一方,能動素子は非線形素子とも呼ばれ,電圧-電流の関係が非線形で,信号を増幅したり変化させる素子です.
一般的に電子回路と電気回路にはいくつか違いがありますが,この利用する素子の違いが一番の違いです.
役割の違い
電子回路は信号を増幅したり,計算するのに使われます.電気回路はエネルギーのやり取りをするために用いられます.
電圧の違い
必ずそうではないのですが,電気回路と電子回路で使う電圧にも差があります.電気回路はパワー系で使われることが多く,比較的高い電圧で使われます.電子回路は信号のやり取りや処理に利用されることが多いため,低い電圧を使うことが多いです.
これらはあくまで,そういう場合が多いだけです.トランジスタ (能動素子)をパワー系に使うパワーエレクトロニクスなどもあります.
まとめ
- 電子回路:受動素子と能動素子で構成された回路
- 電気回路:受動素子のみで構成された回路
- 受動素子:電圧-電流の関係が線形の素子
- 能動素子:電圧-電流の関係が非線形の素子