電子回路はダイオードやトランジスタなどの能動素子を含む回路です.本記事では電子回路について,電気回路と比較もしながら紹介します.
電子回路とは
電子回路とはダイオードやトランジスタなどの能動素子を含んでいる回路です.回路は抵抗やトランジスタなどの素子を,金属などの配線でつないで,輪の形で電流が循環する通路のことです.
電子回路にもアナログ回路やデジタル回路,集積電子回路など様々あります.電子回路は信号の増幅,計算,データの保存など様々な機能があります.現在では様々な箇所で利用され,パソコンはもちろん,スマホ,カメラ,イヤホン,通信,家電製品など,私たちの生活は電子回路を利用したもので囲まれています.
電子回路と電気回路の違い
電子回路と電気回路はどちらも回路ですが,いくつか違う点があります.その違いを説明していきます.
素子の違い
電子回路と電気回路の違いは,使用する素子が違います.電気回路は受動素子 (抵抗,コンデンサ,インダクタ)のみで構成されています.電子回路は受動素子と能動素子 (ダイオード,トランジスタ)で構成されています.
受動素子 (抵抗,コンデンサ,インダクタ)は線形素子とも呼ばれ,電圧-電流の関係が線形で,電力の消費・蓄積・放出のみをする素子です.一方,能動素子は非線形素子とも呼ばれ,電圧-電流の関係が非線形で,信号を増幅したり変化させる素子です.
一般的に電子回路と電気回路にはいくつか違いがありますが,この利用する素子の違いが一番の違いです.
役割の違い
電子回路は信号を増幅したり,計算するのに使われます.電気回路はエネルギーのやり取りをするために用いられます.
電圧の違い
必ずそうではないのですが,電気回路と電子回路で使う電圧にも差があります.電気回路はパワー系で使われることが多く,比較的高い電圧で使われます.電子回路は信号のやり取りや処理に利用されることが多いため,低い電圧を使うことが多いです.
これらはあくまで,そういう場合が多いだけです.トランジスタ (能動素子)をパワー系に使うパワーエレクトロニクスなどもあります.
まとめ
- 電子回路:受動素子と能動素子で構成された回路
- 電気回路:受動素子のみで構成された回路
- 受動素子:電圧-電流の関係が線形の素子
- 能動素子:電圧-電流の関係が非線形の素子