CMOSイメージセンサの基本動作 (垂直走査回路・水平走査回路・画素)

工学
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 CMOSイメージセンサは現在で,主流のイメージセンサです.本記事ではCMOSイメージセンサの基本動作について説明していきます.

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CMOSイメージセンサの基本構造

基本的なCMOSイメージセンサは,図1のような構造をしています.まずは簡単に構造と動作を説明します.

図1 CMOSイメージセンサの基本構造

 まず画素で光を電気信号に変換します.次にこの信号を読み出していきます.信号を読み取る際は一行ずつ行うため,どの行を読みだすかを水平走査回路 (行走査回路)で選択しています.CMOSイメージセンサではリセットレベルと信号レベルを読出しますが,CDS (Correlated Double Sampling: 相関2重サンプリング)でその差分を取ることで信号を取り出します.ADC (Analog to Digital Converter)でアナログ信号をデジタル信号に変換します.信号は一画素ずつ出力され,どの列の信号を出力するかを垂直走査回路 (列走査回路)で選択しています.このようにCMOSイメージセンサでは信号が出力されます.

CMOSイメージセンサの基本動作

 図2でCMOSイメージセンサの基本動作について説明していきます.水色は制御線,オレンジは信号線を表しています.図のように,ある列と行では以下のように動作しています.

CMOSイメージセンサの基本動作
  1. PD (フォトダイオード)で信号電荷が発生する
  2. 読出したい行の行選択をオンにしておく
  3. リセットをオンにすることでFD (フローティングディフュージョン)をリセットレベルにする
  4. 行選択がオンであるため,リセットレベルがSFを介してCDS・ADCに転送されて保存される
  5. 行読出しをオンにすることでPDの信号電荷がFDに転送する
  6. 行選択がオンであるため,信号レベルがSFを介してCDS・ADCに転送される
  7. ADCでアナログ信号をデジタル信号に変換する
  8. CDSでリセットレベルと信号レベルの差を取ることで信号を取り出す
  9. センサによってADCでデジタルに変換してCDSで差を取るか,CDSで差を取ってからADCに変換する方法がある
  10. CDS・ADCで出力されたデジタル信号を一列ずつ出力するため,垂直走査回路で出力する一列を選択してセンサ外に出力される
図2 CMOSイメージセンサの基本動作

 以上の動作を図3のように走査して,画素の信号を一つずつ出力していきます.今回はCMOSイメージセンサの基本的な動作を説明しましたが,実際はセンサによって様々な機能や動作があります.

図3 CMOSイメージセンサの読出す順番 (例)

まとめ

  • 水平走査回路:読みだす行を選択する回路
  • 垂直走査回路:出力する列を選択する回路
  • 画素:光を電圧に変換する部分
  • CDS (Correlated Double Sampling):信号レベルとリセットレベルから信号を取り出す回路
  • ADC (Analog to Digital Converter):アナログ信号をデジタル信号に変換する回路

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