【半導体工学】キャリア・真性半導体・n型半導体・p型半導体とは

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工学

 キャリアは動ける状態の電子やホールのことです.半導体ではキャリアが移動することで電流が流れます.真性半導体は不純物を添加していない半導体,n型半導体とp型半導体はキャリアを増やすために不純物を添加した半導体です.本記事ではそれぞれについて説明します.

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キャリア・真性半導体・n型半導体・p型半導体とは

キャリアとは

 半導体のキャリアとは,動ける状態の電子 (伝導電子)とホールのことです.半導体ではキャリアが移動することで電流が流れます.まず,原子は原子核 (陽子と中性子)と電子で構成されています.通常は陽子と電子の数は同じですが,図1のように電子が原子から抜けることがあります.この抜けた箇所をホール (正孔)といいます.

図1 シリコン半導体

 ホールは電子と違い,粒子ではなく,電子が抜けた仮想的な正の粒子です.ホールも電子と同様に移動します.ホールの近くにある原子の電子が,そのホールに移動します.そうすることで新たなホールができます.それが繰り返し起こることで,ホールも移動します.

真性半導体

図2 真性半導体

 真性半導体 (intrinsic semiconductor)とは図2のように不純物 (添加物)を混じえていない純粋な半導体のことです.真性半導体はi型半導体ともいわれています.不純物を混ぜてないといっても,望まない不純物は入ってしまうものです.しかし,集積回路などで使われる半導体はより純粋なものが望まれるため,イレブンナインと呼ばれる99.999999999%以上の高い純度のものが使われます.

n型半導体

図3 n型半導体

 n型半導体は図2のように4荷であるシリコン (Si)原子に,リン (P)などの5荷の原子を添加した半導体です.シリコンは4つの電子が共有されていますが,そこに5荷の原子であるリンを加えると,図3のようにリンの電子が一つ余ります.この余った電子は自由に移動することができ,電流の流れに寄与します.リンなどの電子を添加する原子をドナーといいます.

 真性半導体では自由に動ける電子とホールの比率は同じですが,n型半導体では電子が支配的になり,電流も電子によるものが支配的になります.

p型半導体

図4 p型半導体

 p型半導体は図4のように4荷であるシリコン (Si)原子に,ホウ素 (B)などの3荷の原子を添加した半導体です.シリコンは4つの電子が共有されていますが,そこに3荷の原子であるホウ素を加えると3つの電子は共有されて1つ電子が足りなくなりホール (正孔)が生まれます.このホールが移動することで,電流が流れます.ホウ素などのホールを添加する原子をアクセプタといいます.

 n型半導体と同様に,p型半導体ではホールによる電流の流れが支配的になります.

多数キャリア・少数キャリア

 半導体で数の多いキャリアを多数キャリア,少ないキャリアを少数キャリアといいます.これらは添加する不純物によって決まります.電流の流れは主に,多数キャリアの移動が寄与しています (少数キャリは数が少ないため,移動しても小さい電流にしかならない).

 n型半導体の多数キャリアは電子,少数キャリアはホールです.反対に,p型半導体の多数キャリアはホール,少数キャリアは電子です.

まとめ

  • キャリア:動ける状態の電子 (伝導電子)とホールのこと.キャリアが移動することで電流が流れる
  • 真性半導体:添加物を加えてない,純粋な半導体
  • n型半導体:4荷であるシリコン (Si)原子に,リン (P)などの5荷の原子を添加した半導体
  • p型半導体:4荷であるシリコン (Si)原子に,ホウ素 (B)などの3荷の原子を添加した半導体

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