電磁気学のまとめ【電荷・電界・電位編】

工学
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本記事では電磁気学のまとめの電荷・電界・電位編です!クーロンの法則,電界,電位,ガウスの法則などの電磁気学の電気の基礎となる内容についてまとめています.勉強などに活用いただければ幸いです.

電荷

原子

・原子 (atom):すべての物質の基本粒子
・原子核 (nucleus):原子の構成要素の一つで,原子の中心部
・陽子 (proton):原子核の構成要素の一つで,+ (プラス)の電荷を持つ
・中性子 (neutron):原子核の構成要素の一つで,電荷を持たない
・電子 (electron):原子の構成要素の一つで,- (マイナス)の電荷を持つ
・電荷 (electric charge):電気の量.電気現象のもとなる.

イオン

イオン

通常の原子は陽子の数と電子の数が同じで,+と-の電荷が打ち消しあって原子としては電荷を持たない状態にある.
イオン (Ion)は原子から1つ以上の電子がいなくなった状態か,1つ以上の電子を過剰にもっている原子のことである.例えば1つの電子を失ったイオンは1荷の陽イオン,1つの電子が付加されたイオンを1荷の陰イオンという.

電荷・素電荷 (電気素量)

電荷・素電荷 (電気素量)

電荷 (electric charge)は電子と陽子のように,電気的な作用を及ぼす源のことである.
素電荷 (電気素量)は電荷の最小単位であり,電子と陽子が素電荷である.電子と陽子の電荷量は等しく,値は以下の通りである.
$$e≒1.60\times 10^{-19} \mathtt{[C]}$$

単位 [C]:クーロン (coulomb).電荷の量を表す単位.

クーロンの法則

クーロンの法則

真空中に2つの電荷\(Q_1\),\(Q_2\)が距離\(r\)離れて位置するとき,各電荷には以下の力 (クーロン力)が働く.\(Q_1,Q_2\)が同符号のときは反発力,\(Q_1,Q_2\)が異符号のときは吸引力であることを示す.
$$F=k\frac{Q_1Q_2}{r^2} \mathtt{[N]}$$

  • \(k=\frac{1}{4\pi \epsilon_0}\)
  • \(\epsilon_0=\frac{10^7}{4\pi c}\approx 8.85\times 10^{-12}\)[F/m]:真空の誘電率 (電荷と電荷によって働く力の関係を示す係数)
  • 単位 [F]:ファラド (farad).静電容量の単位
  • \(c\):高速

重ね合わせの原理

重ね合わせの原理

任意の2つの電荷に働くクーロン力は他の電界によって変化しない.複数の電荷がある場合は,それぞれのクーロン力のベクトルを合成したクーロン力が働く.これを重ね合わせの原理 (Principle of Superposition)という.

静電誘導

静電誘導

帯電した導体 (金属など)を他の導体に近づけると,帯電した電荷と異符号の電荷が近くに誘導され,同符号の電荷は遠くへと誘導させる.この現象を静電誘導 (electrostatic induction)という.

電荷の保存則

電荷の保存則

複数の電荷が移動しても電荷の総量は保存される.
(電荷の生成・消滅,素粒子の崩壊が起こるまで)

電界と電位

電界・静電界

電界・静電界

電荷はその周りに電気的な場 (界)をつくり,他の電荷に電気的な力を作用させる.この電気的な場を電界 (電場)を呼ぶ.特に電荷が静止している場を静電界と呼ぶ.
電界\(\vec{E}\)がかかる位置にある電荷\(q\)には,以下の力\(\vec{F}\)が働く.
$$\vec{F}=q\vec{E} \mathtt{[N/C]}$$

・単位 [C]:クーロン (coulomb).電荷の量を表す単位.
電界の単位:[N/C]=[N・m/C・m]=[J/C・m]=[V/m]

点電荷からの電界

点電荷からの電界

真空中のある点電荷\(Q [C]\)から\(r [m]\)離れた点にかかる電界\(E\)は以下である.
$$E=\frac{Q}{4\pi \epsilon_0 r^2} \mathtt{[N/C]}$$

・\(\epsilon_0=\frac{10^7}{4\pi c}\approx 8.85\times 10^{-12}\)[F/m]:真空の誘電率 (電荷と電荷によって働く力の関係を示す係数)
・\(c\):高速

電気力線

電気力線

電気力線 (Electric line of force)は電界を示す仮想的な線である.以下の性質を持つ.
① 電気力線は正電荷から始まり,負電荷に終わる
② 電気力線の向きは電界の向きを表す
③電気力線の密度は電界の大きさを表す

電位・電位差 (電圧)

電位・電位差 (電圧)

電位 (potential)は電荷\(Q\)にかかる電気的な位置エネルギーのことで,単位は[V (ボルト)]=[J/C]である.この位置エネルギーは無限に遠いところを基準としているが,実用上では地球 (アース)を基準にする.
また,無限遠や地球以外のある点の電位を基準としたときの,ある点での電位との差を電位差 (電圧 (voltage))という.
真空中のある点電荷\(Q\)から距離\(r\)離れた点の電位は以下の通りである.
$$V=\frac{Q}{4\pi \epsilon_0 r} \mathtt{[V]}$$

・電位の単位:[V (ボルト)]
・\(\epsilon_0=\frac{10^7}{4\pi c}\approx 8.85\times 10^{-12}\)[F/m]:真空の誘電率 (電荷と電荷によって働く力の関係を示す係数)
・\(c\):高速

電位の傾きと電界

電位の傾きと電界

電位\(V\),距離\(r\),電界\(E\)とすると,電位の傾きと電界は以下の関係がある.
$$\frac{dV}{dr}=-E \mathtt{[V/m]}$$

電界の単位:[N/C]=[N・m/C・m]=[J/C・m]=[V/m]

ガウスの法則

ガウスの法則

真空中にある電荷\(Q\)の周りで閉じるように (閉曲面)電界と微小面積を積分した値 (面積分)は以下の関係を持つ.
$$\oint_SE_ndS=\frac{Q}{\epsilon_0}$$
これを電界に関するガウスの法則 (ガウスの法則,Gauss’ law)という.これは電荷\(Q\)から出ていく電気力線の数ははどのような閉曲面をとっても等しいことを示す.

まとめ

本記事では電磁気学の電荷・電界・電位に関する以下の内容についてまとめました.

  • 原子
  • イオン
  • 電荷・素電荷 (電気素量)
  • クーロンの法則
  • 重ね合わせの原理
  • 静電誘導
  • 電荷の保存則
  • 電界・静電界
  • 点電荷からの電界
  • 電気力線
  • 電位・電位差 (電圧)
  • 電位の傾きと電界
  • ガウスの法則
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